千葉アートネットワーク・プロジェクト

2015年7月3日金曜日

石田和人さんワークショップの報告

 
 先日6月20日にプロダクト・デザイナー石田和人さんのワークショップ授業を体験しました。
石田和人さん

最後のワークショップ授業のテーマは今年度の団地でのプロジェクトに合わせた「ケイジバン」のデザイン。

事前にグループごとに団地の課題や掲示板についてのリサーチをおこない、そこで見出した課題の解決のためのケイジバンのアイデアを30案ほど出し、ワークショップ当日に発表、その後、各グループで最終的にアイデアを1つにまとめていくという内容の授業でした。



まず、4つの班に分かれて、 事前にリサーチとアイデア出しを行いました。

リサーチは、団地の課題や掲示板について、現地調査やインタビュー、文献を通して行いました。団地の掲示板が実際どのように使用されているか現地を歩いてみたり、UR管理事務所の方にお話を伺ったりしました。団地の課題や、掲示板の事情などを知っていきます。

リサーチから得られた課題の解決に向けたアイデアを考えるため、視点が広がるよう、石田さんに提示していただいたいくつかのキーワードを参考にしながら考えていきました。

僕は普段アイデアを考える際に、現実的に可能かどうかというフィルターをかけてしまい、アイデアがなかなか広がらず、つまらないものになってしまうことが多いのですが、これらのキーワードによって意識的に視点を広げることができ、とても新鮮でした。
ワークショップ当日は各班が事前のリサーチ内容とケイジバンのアイデア30個を発表するところから始まりました。

発表は石田さんにコメントをいただきながら進みました。「自分たちの発表は外部の人に伝わるものではなかったな」「リサーチとアイデアがあまり繋がってなかったな」という反省点や、「このアイデアにはこういう側面もあったのか!」「自分たちのグループのアイデアには共通してこういう特徴があったのか!」などグループのメンバーだけでは気づくことができない、客観的な視点を得ることができました。

プレゼン発表の様子


 午後は石田さんが実際にデザインした仕事のアイデアが、それぞれどのような経緯で生まれたのか、具体例を紹介してもらいました。

それを参考にしながら、各班ごとに自分たちの30個のアイデアを改めて見直し、1つのアイデアにまとめていきました。このプロセスでは石田さんと方向性を相談し、アドバイスをもらいながらアイデアをディベロップしていきました



アイデアをまとめている様子

最終的に発表されたアイデアをいくつか紹介します…

 
①電車と本棚の機能、掲示板の要素を組み合わせて出てきたアイデアです。

人の目を引き、交流の場を作ることが目的です。

本棚の機能を活かし、掲示物のアーカイブが可能で、住民が古本を持ち寄ってストックしたり、住民が好きなことを書き込める自由帳ノートもあります。そしてそれが電車のように団地に設置した駅を回ります。

アイディア発表の様子①


 ②『ノロノロくん(仮)』

「掲示板を飼う」というコンセプトのもと、団地の人に掲示板に愛着を持ってもらうことを目的としてデザインしました。

どこか頼りないところがあり、世話を焼きたくなる掲示板です。

ボディに掲示物を貼ったり、自分が掲示したいものをノロノロくん(仮)の口からポストのように投函することで、住民からの情報の発信も可能です。



最終アイディア②ノロノロ君(仮)

石田さんは「デザインは名詞からではなく、動詞から考えることが大切だ」と仰っていました。

デザインをする時にデザインする「モノ」のことばかり考えるのではなく、それを実際に使う「ヒト」の動きを想像したり、「ヒト」が関わることで何が起こるかを考えることが重要だということ、そしてそうすることで、既存のモノにはない、新しいアイデアは生まれるということなのだと思います。

今回最終的にまとめたアイデアはどれも、既存の「掲示板」のデザインとはかけ離れたものばかりでした。それらは掲示板の周りで何が起こるか、何をしてほしいかを考えたからこそ生まれたアイデアだと思いました。

また、ワークショップ後の学生による振り返りでは、

「リサーチにはいろいろな方法があることに気づくことが出来た。
「リサーチをしっかりしてからだと、根拠のあるアイディアを出しやすいことに気づいた。」
「一人では決して出ないようなアイデアも、メンバーとの話し合う中で出てきてとても楽しかった。」
「自分が実現不可能に感じるものでも、見方次第では実現できることに気づいた。」

など、新しい視点を獲得できたとの声から、

「リサーチとアイデアをうまくつなげられなかった。」
「発表時、高洲団地について何も知らない石田さんに向けての発表であることをもっと意識するべきだった。」
「アイデアの幅が狭かった。」

などの反省点も多くでてきました。

今後のWiCANの活動では、今回のようなアイデアの生成過程を意識し、振り返りの中で出てきた反省点も踏まえながら、一般的な視点とは違う、新しい提案をおこなっていきたいと思いました。

今回で年度始めのワークショップ体験授業は最終回でした。

そしてこれから本格的に今年のプロジェクトに入っていきます。

一連のワークショップ授業で学んだことを意識しながら、実りある活動をしていきたいと思います。乞うご期待ください!!

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