WiCAN 千葉アートネットワーク・プロジェクト

2012年10月10日水曜日

中山晴奈さんワークショップ


9月23日(日)、「食」をテーマに活動されているアーティスト、
中山晴奈さんのワークショップを行いました。
わたしたちが食べ物を「おいしい」と感じるのは、「味」だけではなく、「だれと」「どこで」「どうやって」「いつ」「なぜ」などの要素が大きく影響しています。
「駄菓子」は、そういった「味」以外の要素を拡張してデザインされた食べ物であり、今回は小学生のための新しい駄菓子をデザインするワークショップです。


ワークショップは、中山さんの活動紹介から始まりました。

中山さんは主に、美術館や博物館のオープニングレセプションの
ケータリングの仕事をしています。
展示のテーマの周辺のキーワードや、お祝いの席では人の思いを食べ物や空間、食器などで形にしていくことを大切にしているそうです。
中山さんは「自分はパテェシエでもないし、料理の専門家ではないけど、そうじゃない部分をどれだけできるかということ」に挑戦していると言います。
実際に、料理教室を行うときは、専門的なことはプロフェッショナルを呼んで、自分は子どもたちとプロフェッショナルの接着剤になることを意識しているそうです。
また、専門家ではできないこと、「食」を違う視点でとらえることを大切にしています。
中山晴奈さんHPhttp://nextkitchen.net/about-us/


まず、「おいしいの分解作業」として、
わたしたちはなぜ食べ物をおいしいと思うかを分析していきました。

それぞれが「印象に残っている食の記憶」をイラストと文章で紹介しました。
「印象に残っている理由」には、「食べ物自体の味の美味しさ」が重要な要素ではなく、「知らないおじさんたちに巻き込まれて一緒に飲み食いしたこと」や「自分たちでつくったこと」など、それ以外の要素(どこで、だれと、いつ、どう食べるか)が影響しているということがわかりました。

次は、駄菓子について分析をしました。


私たちが知っている駄菓子を挙げ、「大人のものを模している」(シガレットチョコ)「食べながらまたは食べた後遊べる」「自分でつくる」(ねるねるねーるね)「昔からのお菓子」(ふがし)など、駄菓子の中でもカテゴリ分けができる事を確認しました。

その後、3つのグループに分かれて、「小学生のための新しい駄菓子」をつくることを想定しながら、「おいしい」の分解作業を行いました。

実際に駄菓子を見ながら・・・

「食感が楽しい」「強調系(激〇〇というキャッチや、普通より無駄に大きいなど)」「遊べる」「食べると能力が上がる」などの要素が出てきました。

それぞれ、どこを軸に駄菓子をつくるか決め、実際にイメージしていきました。
中間発表!

いったん中間発表を経て、中山さんやメンバーからアドバイスを受け、更に練りながら、一人300円分ずつ持ち寄ったお菓子を材料にして実際に形にしていきました。値段もつけることでリアリティが増しました。



例えば、ある班は、ドラキュラの歯の形のグミが棺桶に入っているという駄菓子を考えました。
最初はドラキュラの顔が書かれたパッケージに歯が配置されているイメージでしたが、中間発表のときにアドバイスを受け、棺桶になりました。

小学生女子の恋をプロデュースするというコンセプトの
駄菓子シリーズを考えた班もありました。

自分の運命の相手をグミでできたヒモを引いて確かめる、遊びとくっついた駄菓子や、
花占いをするようにグミの花びらを「好き、嫌い」とちぎり食べて行く駄菓子、そして、ポッキーの外側のチョコを舐めとると「好きです」という文字が現れる駄菓子。
チョコの外側を舐めとって食べることって楽しいですよね。
そういった食べる面白さを拡張した駄菓子の提案でした。

最後に中山さんから講評をいただきました。

今回のWSでは、わたしたちは栄養を取って健康な身体でいるために「食べる」、おなかがすいたから「食べる」以外にも、
「食べ物」は、人と楽しいひとときを過ごすとき、みんなで遊ぶときに、
重要なつなぎ目になっているのだなと感じました。
そういった「遊び」や「楽しみ」の部分を、今回は小学生視点で拡張して行きましたが、対象を高校生、大学生にして考えても面白そうだなーと思いました。

中山さん、ありがとうございました!
この後、インド料理屋でおいしいひとときを過ごす一行。

nishizawa



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